「労働者」と「使用者」の定義

「労働者」とは？

労働基準法における労働者とは，現実に使用され，賃金を支払われる関係に立つ者のことです．

法人・団体・組合等の代表者のように事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は労働者ではありません．

法人のいわゆる重役で業務執行権を持たない者が，工場長，部長の職にあって賃金を受ける場合は労働者です．

▼組合専従の場合

会社からは給料を受けず，その所属する組合より給料を受ける組合専従職員と使用者との基本的な法律関係は，労働協約その他で労使の自由に定めるところですが，使用者が専従職員に対し在籍のまま労働提供の義務を免除し，組合事務に専従することを認める場合は，労働基準法上，会社との労働関係は存続するものと解されます．

「使用者」とは？

労働基準法における使用者は，次のように定められています．

「労働者に関する事項」には，人事，給与，厚生等の労働条件の決定や労務管理を行うこと，あるいは業務命令の発出や具体的な指揮監督を行うこと等が含まれます．

使用者とは労働基準法各条の義務についての履行の責任者をいい，その認定は部長，課長等の形式にとらわれることなく各事業ににおいて実質的に一定の権限を与えられているか否かによりますが，権限がなく，単に上司の命令の伝達者に過ぎない場合は使用者とはみなされません．

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