民間VS公務員　どちらが高給か？-年齢別での比較-(2010年)

民間企業の月収を企業規模別に比較すると，公務員の月収は中企業(男性)並であるという結果でしたが，これを年齢別に比較するとどうなるでしょうか？

ここでは民間企業(正社員)と公務員の月収を年齢区分別に比較してみることにします．

▼参考

年齢区分別での比較(大卒・企業規模全体)

「民間の一般労働者（大卒・正社員）の月収」と「一般行政職公務員（大卒）の月収」を年齢別に比較してみます．

（ただし，「賃金構造基本統計調査」と「国家公務員給与等実態調査」・「地方公務員給与実態調査」ではデータの年齢区分が微妙に異なるため，単純比較することはできないことに注意です）

数字だけ並べても分かりにくいのでこれをグラフで表すと次のようになります．

上のグラフから，30歳以下の若い年代では民間男女・公務員ともほぼ同じ金額であることがわかります．民間男性と公務員は40歳位までほぼ同じ金額が続きますが，それ以上の年齢では民間男性のほうが高くなっています．

また，50歳以上になると国家公務員が民間を逆転し，最終的に民間女性＜地方公務員＜民間男性＜国家公務員の順になっています．

ちなみに国家公務員と地方公務員では40歳位まではほぼ同じですが，それ以上の年齢になると地方公務員＜国家公務員となり，その差が広がる傾向があります．（ただし，地方公務員の月収は本サイト独自の補正数値(91.1％)を使って算出していることに注意）

年齢区分別での比較(大卒男性・正社員)

では最後に民間の一般労働者（大卒・正社員)の男性と一般行政職公務員（大卒）について企業規模別に区分した場合の月収を比較してみます．

これをグラフで表すと次のようになります．

年齢区分が微妙に異なるので厳密な比較はできませんが，上のグラフから30歳以下の若い年代では民間より公務員の方がやや低くなっています．その後は大企業男性が最も高くなり，中企業と国家公務員がほぼ同じ金額となります．

55歳以上になると大企業・男性の月収が低下するため，最終的には小企業＜中企業≒地方公務員＜大企業≒国家公務員の順になっています．

つまり，男性・正社員の場合は，

　　①若いうちは公務員＜民間

　　②その後民間大企業がリード

　　③最後は国家公務員が民間大企業に追いつく．地方公務員は中企業と同程度

ということが言えます．

（ただし，上グラフでの地方公務員の月収は本サイト独自の補正数値(91.1％)を使って算出していることに注意）