「民間給与実態統計調査」とは?(2008年)
民間給与実態統計調査とは
「民間給与実態統計調査」とは,民間の事業所における年間の給与の実態を給与階級別・事業所規模別・企業規模別等に明らかにし,併せて租税収入の見積り・租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的として国税庁により毎年実施されている調査です.
「民間給与実態統計調査」は,「指定統計」のひとつです.指定統計とは政策の運営等の基礎情報として特に重要なものについて総務大臣により指定されたものであり,法律により申告義務が課されています.そのため調査結果に対する信頼性も高いと言えます.
調査の範囲
「民間給与実態統計調査」は2008年(平成20年)12月31日現在で民間の事業所に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない)を対象としています.具体的には民間の事業所の従業員(パート・アルバイトも含む)・役員が対象ですが,公務員は対象外です.
調査の方法
調査は2段階になっています.まず,事業所を事業所の従事員数等によって層別しそれぞれの抽出率で「標本事業所」が抽出されます.つぎに標本事業所の給与台帳を基にして,一定の抽出率により「標本給与所得者」が抽出されます.ただし,標本事業所において年間給与額が2000万円を超える者は,全数が抽出されます.
(2008年の標本事業所数は22917事業所,標本給与所得者数は314844人です)
標本事業所には調査票が送付され,「事業所用の調査票」(事業所の従事員数,2008年中に支給した給与総額,源泉徴収した所得税額等を記入)および「給与所得者用の調査票」(給与所得者の性別,年齢,給与金額,源泉徴収税額,扶養人員,控除した生命保険料の金額等)を記入することになっています.
なお,この調査における「業種」は,日本標準産業分類(平成19年11月改定)に基づく14種類に分類されています.
主な用語の意味
・給与 | 2008年(平成20年)における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額のことで,給与所得控除前の収入金額)で,通勤手当等の非課税分は含みません.なお,役員の賞与には企業会計上の役員賞与の他,税法上役員の賞与と認められるものも含まれています. |
・事業所規模 | 2008年(平成20年)12月31日現在の事業所の従事員数による区分です. |
・企業規模 | 2008年(平成20年)12月31日現在の事業所の属する企業の組織及び資本金による区分です. |
・その他の法人 | 株式会社を除く次の法人のことをいいます. 有限会社,合名会社,合資会社,合同会社,協業組合,企業組合,相互会社,医療法人,特定非営利活動法人,人格のない社団等,協同組合等,公益法人等,公共法人及び外国法人のことです.なお公益法人等及び公共法人のうち,職員の身分が公務員に準じている公庫,事業団,公社,特定独立行政法人は調査対象外です. |
注意点
この調査は標本調査であり,標本事業所及び標本給与所得者から得た標本値にそれぞれの標本抽出率の逆数を乗じて全体の給与所得者数,給与額及び源泉徴収税額を推計しているため,他の税務統計の関連数値とは一致しないという点に注意が必要です.
参考リンク
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